スキンケア事典

No.07-03 肌トラブル別スキンケア「乾燥」

肌のうるおいは、肌のいちばん表面の角質層に存在する「NMF(天然保湿因子)」と「細胞間脂質」、肌表面に広がる「皮脂膜」、この3つの保湿因子によって保たれています。
NMFは角質細胞内の水分を保つ役目を、細胞間脂質は角質層の水分を保ち、水分を含んだNMFの流出を防ぐ役目を、皮脂膜は肌内部の水分蒸発を防ぐ役目をしています。
乾燥トラブルは主に、これらの保湿因子が不足した時に起りやすくなります。
保湿因子が不足する原因はいくつか考えられますが、基本的なスキンケアは、単に水分を補いフタをすることではなく、肌が自ら水分を保つ力を高める「保湿ケア」です。

原因1 ターンオーバーの乱れ

肌の表面にある表皮では、新しい細胞が生まれ、やがて角質細胞になり、肌を守る角質層を構成します。
肌を守る役目を終えるとはがれ落ち、少しずつ新しい細胞と入れ替わっています。
この肌の生まれ変わりのしくみが「ターンオーバー」。
肌の生まれ変わりのしくみ「ターンオーバー」とは?
ターンオーバーのサイクルは一般的に約28日と言われていますが、食事や睡眠などの生活習慣、ストレスなど、これらが原因で引き起こされるホルモンバランスの崩れ、加齢、間違ったスキンケアなどの影響で、サイクルが乱れることがあります。
保湿因子のNMFと細胞間脂質は、角質細胞ができる角化の過程で作られます。
ターンオーバーのサイクルが短くなることで、この2つの肌の保湿機能が不十分になり、肌は乾燥にかたむきます。
水分が蒸発しやすく、外界からの刺激を受けやすい状態に。
すると、その危機的状況から肌を守るため、角質層を厚くしようと通常より速いスピードで角化が進みます。
時間をかけて角化が行われていないため、未熟な角質細胞がつぎつぎに作られ、乾燥から肌あれに移行します。
逆にターンオーバーのサイクルが長くなることで、古い角質がはがれ落ちずに肌にとどまり、肌表面は水分量が少なくザラついた状態に。
乾燥による小じわが現れることもあります。
ターンオーバーは適度な速度でバランスよく行われることがベストです。


原因2 季節や環境

肌の保湿機能が正常であっても、どうしても外界の湿度に左右されるもの。
カラカラに乾いた湿度の低い冬は、肌の水分が蒸発しやすくなります。
そして、冬は気温も低く、それに伴って肌表面の温度も低い状態。
油分は低温になると流動性が低下するため、分泌された皮脂が肌表面に広がりにくくなります。
皮脂膜が肌を覆うまでに時間がかかり、その間肌の水分が蒸発しやすくなります。
冬の肌とスキンケア
また、冬だけではなく夏でも、エアコンの効いた湿度の低い屋内は、肌の水分が蒸発しやすくなります。


原因3 間違ったスキンケア

クレンジング(メイク落とし)や洗顔は、さまざまな肌トラブルの原因になるホコリや雑菌、汗や皮脂、古い角質、メイクなどの汚れを落とすために行う、デイリーケアに欠かせないステップ。
しかし、この時、肌表面に広がる皮脂膜はもちろん、角質層のNMFや細胞間脂質も流れ落ちています。
高めの温度のお湯はこれらの保湿因子がより流れ落ちやすくなります。
そのため、クレンジング(メイク落とし)や洗顔をやり過ぎたり、高めのお湯ですすいだりすると、肌が乾燥しやすくなります。
メイク落としのポイントと使用方法
洗顔のポイントと使用方法
また、ピーリングやゴマージュなどは、厚くなり過ぎた角質層を薄くするためのスペシャルケア。
こちらもやり過ぎると、乾燥や肌あれを引き起こします。
古い角質を取り除く「ピーリング」
これらの落とすケアを行った後は、急速に水分が蒸発するため、皮脂膜が肌を覆うまでの間、特に乾燥しやすくなります。


原因4 加齢

加齢が進むにつれて、ターンオーバーのサイクルが長くなるほか、肌のうるおいを守るNMFや細胞間脂質、皮脂分泌量が減少し、保湿力が徐々に弱くなっていきます。
皮脂分泌量の変化
年齢とともに減少する保湿成分を化粧品などで補う必要があります。


スキンケア

  • 落とすケア
    毎日の洗顔は、脱脂力が弱めの洗顔料を使用し、摩擦が起らないようやさしく手早く洗顔を行います。
    肌表面の皮めくれや毛羽立ちなど荒れた部分がある場合は、こすることで悪循環になることも。
    クレンジング(メイク落とし)や洗顔時、タオルで拭く時など、特に摩擦が起らないよう注意します。
    基本ステップ1「落とすケア」
  • 補うケア
    肌表面や角質層内で水分を吸収する保湿成分や、肌の水分が蒸発するのを防ぐエモリエント成分が配合された化粧水乳液美容液で、水分を保つ力を高める保湿ケアを行います。
    また、乾燥や肌あれを起こした肌は外界からの刺激を受けやすくなっているため、肌表面の保護成分や、肌あれ防止成分なども補うことで、肌が正常に戻ろうとする力をサポートすることができます。
    基本ステップ2「補うケア」

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