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スキンケア事典

No.02-07 免疫細胞のはたらき

免疫とは、外界から侵入してくる細菌やウィルスなどの異物を排除して体を守ること。
体内だけではなく、肌にもこの免疫システムがあります。

識別する
外界からの異物「抗原」が侵入すると、自分のもの「自己」と、自分のものではない「非自己」を見分けます。

排除する
表皮の見張り役「ランゲルハンス細胞」や、真皮の掃除役「組織球(マクロファージ)」などにより、抗原は食べられ、分解されます。
「ランゲルハンス細胞」や「組織球(マクロファージ)」は、それを抗原情報として抱えて、免疫システムをつかさどるリンパ球「T細胞」の元へ移動し、情報を伝えます。
この伝達を「抗原提示」と呼び、抗原提示を受けた「T細胞」は活性化し、生理活性を促す情報伝達物質「サイトカイン」を分泌。
「組織球(マクロファージ)」などを活性化させたり、リンパ球「B細胞」から抗原を不活性化させる「抗体(免疫グロブリン)」を産生させたりして、抗原を徹底的に攻撃、排除します。
産生された抗体のなかには、ヒスタミンなどの炎症物質を大量に含む爆弾的存在「肥満(マスト)細胞」などに結合して機能する免疫グロブリンがあります。
「肥満(マスト)細胞」に結合した抗体が、対象の抗原をとらえると、「肥満(マスト)細胞」が活性化して、炎症物質を放出します。
これら免疫細胞のさまざまな働きのなかで、肌表面が赤くなったり、腫れたり、かゆみを伴う炎症が起ります。

記憶する
戦いが終わると「T細胞」と「B細胞」の一部は、この時の抗原情報を記憶し、同じ抗原が再び侵入した時に迅速に対応できるよう備えています。

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免疫反応に関わる細胞や、抗原を排除するまでの流れはこれだけではなく、「好中球」などの白血球も抗原を貪食したり、免疫細胞ではない「表皮細胞」もサイトカインを放出して「組織球(マクロファージ)」などを活性化させたりと、さまざまな細胞が関与して肌の免疫システムが細菌やウィルスなどから体を守っています。

傷や乾燥、肌あれなど、肌のバリア機能が低下することによって抗原が侵入しやすくなり、また、そのような肌状態においては「ランゲルハンス細胞」が増加し、過敏に反応するようになります。
日常のスキンケアやバランスのよい食事、十分な睡眠などで肌のバリア機能を整えることは、過剰な免疫反応による炎症を避けるためにも有効です。
肌の状態が不安定な時は、免疫システムを正常化したり、炎症反応を抑えたりする肌あれ防止成分や、外界からの異物侵入を防ぐ肌表面の保護成分が配合されたクリームなどで、シンプルなスキンケアに切り替えます。
肌への刺激や炎症を最低限に抑え、肌の水分蒸発も防ぐことができるため、肌がより早く安定しやすくなります。


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